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警察庁が言う「増加し続ける外国人犯罪」というウソ
外国人犯罪が増え続けているという見出しの記事が目立つようになった。
外国人が事件を起こす度にこの見出し記事は増えていく。
これを見た一般日本人達は、この数字のカラクリに踊らされる。
そして妙なナショナリズムが台頭してくる要因を作り上げてしまう。

昨日N氏と確認が取れたので12月3日付けのN氏発信のメールを転載します。
なお、この警察庁による「外国人犯罪統計」に対する批判は、「コムスタカー外国人と共に生きる会」”許されない!! スケープゴートにされる外国人”の見出しの記事内にとても詳しく載っていますので、是非そちらも御覧下さい。

(うるさい女 Ab...@妙子)




========転載ここから====

「2005年上半期来日外国人犯罪検挙状況」のデータについて

広島女性児童殺害事件に関連して、「史上最高値を更新し、増加しつ続ける外国人犯罪」 などの表現がマスコミ報道でなされており、今後とも使われていくと思われます。

これらには、警察庁の「2005年上半期来日外国人犯罪の検挙状況」のデータが元になっていると思われますので、「2005年上半期来日外国人犯罪検挙状況」のデータについて説明しておきます。

1、「2005年上半期史上最高値を更新し、増加し続ける外国人犯罪」というウソ

以上の表現は、2005年上半期で、過去最多を記録した前年同期(2004年上半期)に比べて、「来日外国人」総検挙(刑法犯と特別法犯)人員が、358人(5.8%)増加していることが根拠となっています。

以下は警察庁の「検挙件数」「検挙人員」を指標として「来日外国人犯罪」の増減を論じる場合のデータ状況です。

「来日外国人」総検挙(刑法犯と特別法犯)人員の358人(5.8%)増加は、特別法犯検挙人員(6603人)が前年同時期比 364人(5.8%)増加したことによるものです。そのうち入管法違反検挙人員(5612人)が、前年同時期比 322人(6.1%)の増加と9割近くをしめています。それ以外の特別法犯検挙人員の増加は、「風俗営業等の帰省及び業務の適正化等に関する法律」違反者や「迷惑防止条例」違反の検挙人員によるものです。

これらの違反容疑の検挙人員の増加は、違反者の増加を意味しているのではなく、警察の取り締まり強化を示しています。

 
「史上最高値を更新し、増大し続ける(来日)外国人犯罪」という見出しの意味は、特別法犯の検挙人員が、「不法滞在者、5年間で半減」の政策目標達成のために警察が取り締まりを強化した結果、増大した数字に過ぎず、「(来日)外国人犯罪」が増加している事を意味するものではありません。

「来日外国人」総検挙人員以外のデータは、個々の罪種で一部増加しているものはありますが、前年同時期と比べて、基本的に減少しています。

総検挙件数は、23363件で、前年同時期比 1124件(4.6%)減少しています。
また、刑法犯の検挙件数は、15528件で前年同時期比 1712件(9.9%)減少、刑法犯検挙人員は、4257で前年同時期比6人(0.1%)減少しています。

殺人、強盗、強姦、放火の4つの罪種で構成される凶悪犯の検挙件数も、152件 前年同時期比 11件(6.7%)減少し、凶悪犯の検挙人員も185人 前年同時期比 13件(6.6%)減少しています。


このように、2005年上半期は、前同時期と比べて、総検挙件数、刑法犯検挙人件数、刑法犯検挙人員、凶悪犯検挙件数、凶悪犯検挙人員とも減少しています。

2、「外国人犯罪」統計の限界

犯罪の増加を論じるときに一般的には「認知件数」や「犯罪発生率」(人口10万人当たりの認知件数)が使われます。しかし、認知件数には、「暗数」(犯罪被害者から被害届けがなされない犯罪や被害届けがなされても警察が受理しない犯罪)が含まれないので、「犯罪発生数」を正確に表しているわけではありません。

一般論で言えば、「少年犯罪」は、構成人口が毎年減少し続けるため、毎年減少傾向となり、「来日外国人犯罪」は、その構成人口が毎年増大していくので、毎年増加傾向となることが予想できます。

「外国人犯罪」や「少年犯罪」は、ある年の日本全体の刑法犯認知件数のうち「外国人」や『少年』によるものがいくらあったかが不明なため、「外国人刑法犯認知件数」や「少年刑法犯認知件数」及び「外国人犯罪(発生)率」や「少年犯罪発生率」を算出することができず、警察の取り締まり結果を示すにすぎない「検挙件数」及び「検挙人員」で示すことしかできません。しかし、「少年犯罪」や「外国人犯罪」の増減を、「検挙件数」や「検挙人員」で示すことには大きな限界があります。

被害者のいない犯罪が大半を占める「特別法犯」は認知件数が不明で、「刑法犯」と性格を異にするので、「特別法犯」と「刑法犯」を合計する「総検挙件数・総検挙人員」という概念は成り立たず、使われていません。にもかかわらず、「来日外国人」犯罪統計では、「総検挙件数・総検挙人員」が使われています。

そして、「来日外国人特別法犯」の約8割は入管法違反者が占めています。1993年の約30万人の「不法残留者」は、2005年1月1日現在約20万7千人と減少しており、入管法違反者は、この12年間で余り約3割減少していると推定できますが、入管法違反の検挙件数は、1993年4393件から12516件と2.85倍、検挙人員は、3618人から11069人と3.1倍に増加しています。このように「来日外国人特別法犯」の「検挙件数」・「検挙人員」を根拠として、「来日外国人犯罪」の増加を論じると、客観的には約3割程度減少しているのに、約3倍増えているという誤った結論を導くことになり、「特別法犯検挙件数・検挙人員」は指標としてつかえません。

次に、「来日外国人刑法犯」の「検挙件数」は、余罪のカウントが多くなされており、客観的な指標としてはつかえません。例えば、2004年の刑法犯の「余罪率」(検挙人員一人当たりの検挙件数  余罪率=検挙件数÷検挙人員)は、日本全体の刑法犯では、1.72件ですが、2004年「来日外国人」刑法犯では3.61件と2倍以上になっています。また、「来日外国人刑法犯検挙人員」も警察の取り締まり方針に左右されやすい指標です。

私は、以上の理由から、「来日外国人」犯罪の増減を判断するには、「検挙件数」と「検挙人員」は大きな限界を持っており、その増減は、「来日外国人」犯罪の増減を示しているわけではありません。

日本社会における「来日外国人」や「不法滞在者」による犯罪の増減を示す指標として、「日本全体の刑法犯検挙人員」に占める「来日外国人」あるいは「不法滞在者」刑法犯検挙人員の構成比の10年間、あるいは15年間など一定期間での推移で、その動向を一般的に把握する以上のことはできないと考えています。

1993年から2004年の12年間に「来日外国人」刑法犯の検挙人員の日本全体の刑法犯検挙人員に占める構成比は、概ね2%程度、「不法滞在者」の刑法犯検挙人員の構成比は概ね0.4%程度でほとんど変化していません。


=======転載ここまで===
2005/12/04(日) 08:59:18| 市民運動| トラックバック(-) コメント(-)